散る桜残る桜も散る桜
「知覧特別攻撃隊」村永薫編(ジャプラン)表紙
神風特別攻撃隊
黒田   釋少尉 (21)  誠第17飛行隊 昭和20年3月26日
藤井 広馬少尉 (20) 誠第114飛行隊 昭和20年4月 2日
仙波 久男大尉 (22)    第42振武隊 昭和20年4月 8日
渡部 正興少尉 (27)    第80振武隊 昭和20年4月27日
二神 孝満大尉 (24)  誠第34飛行隊 昭和20年5月 4日
野本 幸平大尉 (23)  飛行第10戦隊 昭和20年5月 9日
豊田 良一少尉 (20)    第51振武隊 昭和20年5月11日
堀本 官一少尉 (18)    第60振武隊 昭和20年5月11日
山崎   忠少尉 (18)    第53振武隊 昭和20年5月18日
三浦歳一郎少尉(28)    義烈空挺隊 昭和20年5月24日
三島 邦夫大尉 (21)    第54振武隊 昭和20年5月25日
山下 正辰少尉 (18)  飛行第62戦隊 昭和20年5月25日
三瀬 七郎大尉 (24)   第433振武隊 昭和20年5月25日
愛媛県出身神風特攻隊員
  遺  詠

あんまり緑が美しい
今日これから
死にに行く事すら
忘れてしまいそうだ。
真青な空
ぽかんと浮かぶ白い雲
六月の知覧は
もうセミの声がして
夏を思わせる。
     作戦命令を待っている間に

小鳥の声がたのしそう
「俺もこんどは
 小鳥になるよ」
日のあたる草の上に
ねころんで
杉本がこんなことを云っている
     笑わせるな
本日一三時三五分
いよいよ知ランを離陸する
なつかしの
祖国よ
  さらば
使いなれた
万年筆を”かたみ”に
    送ります。


  枝  幹二(22)大尉 第156振武隊
    昭和20年6月6日出撃戦死  富山県出身
遺書
  母を慕いて

母上お元気ですか
永い間本当に有難うございました
我六歳の時より育て下されし母 
継母とは言え世の此の種の女にある如き
不祥事は一度たりとてなく
慈しみ育て下さりし母
有難い母 尊い母

俺は幸福だった
遂に最後迄「お母さん」と呼ばざりし俺
幾度か思い切って呼ばんとしたが
何と意志薄弱な俺だったろう
母上お許し下さい
さぞ淋しかったでしょう
今こそ大声で呼ばして頂きます
お母さん お母さん お母さんと


   相花信夫(18)少尉 第77振武隊
     昭和20年5月4日出撃戦死  宮城県出身
「知覧特別攻撃隊」・村永 薫編(ジャプラン)より引用